20230811 キンモクセイ [ 金木犀 ]

樹木のこと

キンモクセイの同定

本日、この木の、剪定したものを、片付けしたので、この木、キンモクセイ [ 金木犀 ] を紹介します。

いつものように、購入した、林将之著『葉で見わける樹木』*1で何の木であるのかを見出します。林先生流・樹木名の見出し法は、次の4点に注目します。

  1. 葉の形態:不分裂葉、分裂葉、掌状複葉、あるいは針葉樹のどれに入るのか検討⇒不分裂葉
  2. 葉のつき方:互生か対生⇒対生
  3. 葉のフチの形:鋸歯縁か全縁⇒全縁
  4. 落葉樹か常緑樹:⇒常緑樹

*1 林将之著『葉で見わける樹木』増補改定版、2010年、小学館

ということで、本に掲載された葉の写真から、キンモクセイと判別しました。ということですが、自信持って速やかに識別できた、という次第ではありません。実は、4)落葉樹か常緑樹の問に、速やかに答えられていないのです。冬にどのような姿をしているのか、その様子を思い出すことができず、冬に葉がついていたのかどうか、毎年のように見ているのではありますが、自らの注意力の無さを自覚しました。林先生の著書のページを繰っていて、「これかなぁ?」と思った箇所で、名前を見て、そう言えばと、オレンジ色の花をつけていたような気がする、ということで同定に至ったのです。管理人の中では、「キンモクセイ [ 金木犀 ] 」という名は、薄いオレンジ色とその匂いとともに記憶されていました。

キンモクセイの特徴

葉は一見すると、全縁の曲線をなしていますが、近くで見ると、葉の所々で鋸歯状になっている箇所があり、「あれっ!」として、林先生の著書の解説を読むと、「・・・先半分に鋸歯が出ることも多い。」とあり、キンモクセイの確からしさを深めた次第でした。

ちなみに、「ギンモクセイ」という種があり、その花はアイボリーに近い色をしていることを知りました。というか、ギンモクセイのほうが親的存在で、キンモクセイは変種と位置づけされるとのことで、ギンモクセイとキンモクセイを含めて、「モクセイ」という括りになっているとのことです。

改めて、キンモクセイ [ 金木犀 ] とは:

  • モクセイ科モクセイ属の小高木
  • 低い位置から枝分かれして、木の全体的姿は丸い樹形
  • 樹高3〜6m
  • 分布:中国原産
  • 存在しそうな様態:庭木、公園樹、街路樹

意識に上らないと記憶に定着しない

「キンモクセイ」。この名前は、花がオレンジ色で芳香があり、時候の話題となる点から認識はしていたものの、落葉樹であるのか常緑樹であるのか、自信を持って答えられないことに、改めて、事物を観察していないことに気づいた次第でありました。

林先生の著書にあった「・・・低い位置から枝分かれして・・・木の全体的姿は丸い樹形・・・樹高3〜6m・・・」との記述は、今回剪定して実感しました。特に、「低い位置から枝分かれ」する点については、剪定の際に、枝を剪定すると言うよりも、細目の幹をノコギリで引く場面が多く、低い位置で幾本もの幹が並立するような感じであることを実感していました。

来月には花が咲く?

林先生の著書には、「9〜10月に橙色の花が咲く」とあります。もう来月は開花期というが、この真夏日が続く、ハラの森ではいつ頃花を咲かせるのか、気をつけて見ていきたく思います。確かに暑い状態が継続はしていますが、立秋も過ぎ、コオロギだろうか、また様々な虫の鳴き声は賑やかになっています。季節は着実に変化しています。

今回の気づき

樹木が身近にある生活をしていても、実際に触ったり手入れしたりして、その事物の特徴に気づくのであり、間近で見ているだけでは、”節穴的に見ている” ということです。今回のように、剪定を通じて、対象とする木を、本のような資料で調べて、名前を知り、僅かな特徴を知るだけでも、自らの感覚や気づきが補強され、対象を意識化できます。キンモクセイを花という側面だけでなく、葉や枝のことに関心が及んだことはいい機会でした。さらに、ギンモクセイ [ 銀木犀 ] を存在を知りました。出合えるのはいつか? 楽しみです。ごきげんよう。

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